2013年5月31日金曜日

サスカトゥーン旅行

南サスカチュワン川
プレーリーを走るバス









滞在期間:5月25日〜31日

サスカトゥーン、そしてトロントを除いたカナダ内陸部の州を訪れるのは初めてだったのだが、沿岸部の州とはだいぶ違った印象を受けた。まず、空気が比較的乾燥している。冬はもっとひどいらしい。のどが乾きまくって大学の水は飲みたくなかったので毎日ミネラルウォーターを買った。天気は前評判通り良く滞在中雨が降ったのは最初の日(しかも一時的な天気雨)だけ、まさにプレーリーという感じ。

移民層は面白いことにベトナム系が多くベトナム&中華が一緒になったレストランがダウンタウンには多くあった。あと他の州と比べFirst Nation(インディアン、先住民)が多かったような気がした。ベトナム系と同様肌が黒くアジア系の顔なので区別が自分ではつけられないので多く感じただけかもしれないが。。

日本人はたぶん少ない。滞在中は一度も日本語を聞くことはなかった。日本食レストランもあるがauthenticではないよう。それでも日本食が食べたかったので安くすむUmi Sushi Express(大学Student Centre&Midtown Plazaのフードコート内)でSpicy TunaとSpicy SalmonをBubble Teaと一緒に買った。

サスカトゥーンの魅力

地元の無料で配布されていた資料によると…
  • 人口は26万人を超えるサスカチュワン州で最も大きい(2011年現在)。
  • カナダで最も晴れの時間が多い(街の至るところにSaskatoon Shines!という看板を見かけます)。
  • 四季があり−30〜30℃と温度差が激しい。
  • カナダで唯一のシンクロトロン放射施設がある(サスカチュワン大学内)。
  • ブルーベリーが有名。
  • 橋の街。

滞在中に訪れた場所

  • Radisson Hotelのギフトショップ
    • ダウンタウンで唯一サスカトゥーンのお土産を取り扱っているギフトショップが一階にあります。あとは空港にもひとつあります。
  • TCU Place
    • 学会会場。
  • Midtown Plaza
    • TCU Placeのすぐ隣にあるショッピングモール。たぶんサスカトゥーンで一番大きいモールではないかと。セントジョンズのAvalon Mallと規模は同じでした。
  • University of Saskatoon: Summer Accommodations
    • 滞在中は大学の寮に泊まりました。一泊$50と安くてよかった。部屋はメモリアル大学と同様古いんですが安いからよし。朝食つき。
  • Saskatoon Transit
    • 市内バス。結構多くの路線があった。料金は乗車一回$3とセントジョンズのメトロバスと比べると高かった。大学からTCU Placeまで歩いたら40分弱かかるのだが一度だけバスを利用した。
  • Farmer's Market
    • 名の通りファーマーズマーケット。手作りの雑貨や加工食品(チーズ、薫製肉)オーガニック野菜や石けんなどが売ってあった。行ったときはラテン系のダンスのイベントが開催されていた。
  • Meewasin Valley Centre
    • ダウンタウンの川のそば南にある観光センターのようなところ。サスカチュワンの川を中心とした歴史を学べる展示品がある。ショートムービーも二つあった。お土産も少しだけ売ってある。ここのお兄さんにRadisson Hotelのギフトショップをすすめられた。
  • Canadian Light Source
    • カナダで唯一の放射光施設。サスカチュワン大学内にある。線形加速器もある。施設内は普段見ることのないような大きな複雑機械に囲まれていてその周りをガイドしてくれた研究者の人と一緒に回った。シンクロトロンを光と同等の速さで放射している、電子を出来る限り小さい幅で放射する、などなど自分にはよくわけのわからんことだったが施設はすごかった。ガリレオ「容疑者Xの献身」の冒頭で湯川先生が高速加速器の説明・立証をやっていたがそれのようなことだろう。
  • Climate Reference Station
    • 大学内にある気象観測地。環境省からはいくつかの理由により認証されてないそうだが世界基準の観測方法に従っていて、今年で観測を始めてから50周年を迎えたそう。温度計、風速計以外にも土俵や芝の温度や短長波などいろんな観測器があった。

2013年5月30日木曜日

学会Day4

最終日。今日も北極関連の研究発表を聴講、以下メモ:
  • Data in the Arctic: NSIDC
  • Northward flow from the Pacific to the Arctic: General circulation driven by sea level difference (dynamical height)?
  • Arctic Oscillation (AO):
    • + recent years
      • ice transport to the North Atlantic.
  • Azetsu-Scott 2010
  • Hu & Myers 2013
  • Satellite obs of Arctic Sea Ice Extent since 1979
  • Sea Ice Minimum 2012
    • very negative AO
      • Sudden stratospheric warming in January 2013 (due to increased moisture flux?)
  • Unusual southward transport of sea ice through the Berring Strait during 2011-2012 (observed from Beacon for the first time)
ランチは環境省でポスドクをやっているエチオピア人と話をした。学会に参加している人のほとんどは国内から来てるのに多人種になってしまうのはカナダのいいところ。研究の話、留学の話、家族の話など楽しく話ができた。

午後は学会がツアーを企画してくれていたので参加することにした。行った場所はCanadian Light Source (http://www.lightsource.ca/)とClimate Reference Station (www.src.sk.ca)。前者はカナダで唯一の放射光施設(サスカチュワン大学内にある)で建物の中がすごかった(写真は後日アップロードします)。Linear accelerator (線形加速器)というのもあるみたいだが時間の関係で見られなかった。物理はよくわからないのだが、放射をできるだけ狭くしていくことによって強い(intense)光を発することができる?
そのあとは気象台(こちらも大学内)へ行き(風向き・風速、降水・積雪量、気温など)観測する道具・機械を見回った。観測頻度は様々だが毎日3回はデータをダウンロードするために気象台へ出向いているらしい。草の温度、土俵の温度、短波、長波も計っている。今年で観測をはじめて50年になるらしいが、それまでのサスカトゥーンの気温は最低−43.9℃(1966年1月22日&1969年1月29日)、最高41℃(1988年6月5日)。まさに内陸部(そしてプレーリー)特有の気候。

学会を総括すると、前回(2年前・学部4年)参加したときよりも余裕をもって臨むことができた。そして話したかった教授たちには自分から話しかけにいくことができたし、いろんな大学・機関(トロント大、マクマスター大、マニトバ大、サスカチュワン大、ビクトリア大、ブリティッシュコロンビア大、サイモンフレーザー大、環境省、水産海洋省)から来た様々な人たち(海洋学者・大気科学者・土木技師・水文学者・気象予報士)とも知り合うことができた。そして他の人のやってることを知ることで自分ももっと頑張らなくてはと思えるようになれたし同時に、自分のやってることはそんなに悪くない(ネガティブ思考遮断)、もっと自信をもっていいんだとも思えた。

2013年5月29日水曜日

学会Day3

3日目のメモ

今回の学会は海洋学関連が少ないので北極やエアロゾル関連の発表も聴講した。

行ったセッション:オペレーショナル海洋学 & 北極圏の研究

  • NEMOVAR
  • CONCEPTS
    • Collaboration of DFO, EC, and ND
    • global air-sea-ice modeling
    • 10day & monthly/seasonal forecasting system
    • SAM2 (assimilation tool?)
    • IMS (Interactive Multisensor Snow and Ice Mapping System) from NOAA (http://www.natice.noaa.gov/ims/)
  • ARGO (http://www.argo.ucsd.edu/index.html)
  • Aerosols (lifetime: days to weeks, but is usually longer in the Arctic)

学会Day2

二日目は朝は北極海についてのプレゼンがありそれ以外はほとんどの時間をNumerical Weather Prediction(数値気象予報)の発表の部屋で過ごした。ランチのときサスカチュワン大、マニトバ大、イェール大の学生と同席になった。そして遅れてもう一人。話を聞くと地元テレビ局(グローバル)の気象予報士だった。CBCNLの気象予報士(ライアン)のことも知っていた。午後はポスター発表があっていろんな教授と話すことができた。9月からビクトリア大へ行くというだけでいろんな人とネットワークが広がるのがよくわかった。2年前の学士卒論のポスターのときより今回のほうがもっと多くの人が興味を示してくれた。もっと世間に関心のある分野だから、という理由の他に今回のポスターのほうが「読みやすい・触れやすい」ものに仕上がっていたからだと思う。結局は見せ物なんだから複雑で一部の人にしか理解できないことよりもどんなバックグラウンドの持ち主でも理解できるポスターを作ることが大事だと思った。そして興味を示した人には複雑な説明・議論を展開すればいい。

以下CMOS学会二日目のまとめ

  • 北極海について:氷が溶けていること以外の話
    • the rate of decrease in arctic sea ice extent is faster in observations than what models predict.
    • multi-year ice (fresh, thick) vs 1st-year ice (salt, thin)
    • impact on bottom (light, nutrient) and top (animal habitat) trophic levels of arctic ecosystem
    • Mn (manganese) cycles in arctic ocean sediments
    • sources of freshwater in arctic: runoff and sea-ice melt (each has different dynamics)
    • 3 shelf types (Carmock et al 2006):
      • Chukchi & Barents Sea
      • Kara, Lapter, East Siberian, Mackenzie
      • Archipelago
    • 4 Pumps:
      • soft-tissue
      • carbonate
      • solubility
      • shelf (new? Tim Eglinton)
    • Four Big Rivers
  • 数値気象予報
    • NWP analog forecasting approach
    • shifting from 4D-VAR to EN-VAR
    • "poor man's ensemble"
    • EnKF
    • Ying-Yang Grid (no poles in grids)
    • Hysteresis effect (Boundary layer scheme)
    • Supercooled drops (freezing drizzle)
    • GDPS 3.0.0 (currently #2 after UK.. better than US!)
最後にもう一つ聴講した口頭発表がある。それはCMOS学会初、高校生による発表だ(https://www1.cmos.ca/Amsoft%20Web%20Data/upload/6815.html)。アルバータ州エドモントンの学生たちが中心となってCO2削減のために地方自治体で何を行っていくべきかという具体的な案をまとめた文書に関する発表だったのだが、立派な発表だった。しかも二人はまだ高校1&2年だというから素晴らしい。そして質疑応答の際も自分の考えをはっきりと発表していた。先生二人と家族も同席していたようでとてもいい思い出になったのではないか。こういうことが初等教育でもっと取り入れられていって大人(研究者や院生)がサポートしけばもっともっと多くの人が科学や環境問題に関心を持ち活動していくようになると思う。もうひとつ関心したのが質疑応答で大人の人たちが具体的なアドバイスを与えていたこと。例えばある人は「どこどこ(政府関連)に頼めば活動資金をもらえるよ」というふうにこれからのこともふまえて話を進めていた。CMOSプレジデントの言う通り今回の学会で一番プロフェッショナルな発表だったと思う。この子たちが近い将来、研究や政治に関わっていって環境問題に対する政策をどんどん展開していってくれるといいな。

2013年5月27日月曜日

学会Day1

最初のセッションは「雲、エアロゾル、放射のプロセス」を見に行った。あまり人気のないトピックのようで聴講者が10人前後と比較的少なかった。この分野は博士課程での研究内容と関連してくるトピックだったのでまだ触れたことのない分野だったが聞いてみることにした。以下メモ(正しくない情報ばかりだと思うので参考にはしないで…):
  • importance of sulfate in arctic aerosols for cloud formation
  • DMS is released from the ocean into the atmosphere where it oxidizes to form SO2, which comprises cloud condensation nuclei (CCN)
  • sulfate isotope in arctic air can be separated into 3 types: biogenic, anthropogenic, and sea salt
  • arctic amplification: effect of something (e.g. temperature change) in the arctic is much greater than that in the equator.
  • permafrost thaw: released into the atmosphere and may transform into CO2 (through aerobic process) or CH4 (through anaerobic process). however, CH4 is in general slower process, so more tendency to become CO2.
他に「惑星地球の数学」「気候変動と炭素循環」も見に行ったがこれらにはもっと多くの人が入っていた(30人?)。でも今日一番多かったのは恐らく「北極における水文学:複雑性、進展、課題」の発表のときだったと思う。50人は入っていたと思う(自分は一番後ろで立ち見)。

気候変動と北極関連の研究内容は現在特にホットなトピックであると実感させられると同時に9月から始まる博士過程へ向けてのモチベーションにもなった。